うなぎとあなごの特徴とは
うなぎを生物学的に分類してみると、ウナギ目ウナギ科ウナギ属に属する生物になります。一方のあなごは、ウナギ目アナゴ科アナゴ属に属しています。どちらもウナギ目に属する生物なので見た目は良く似ていますが、その生態には違いがあります。
まず、うなぎは深海で生まれますが、その後は川や湖に移動して過ごします。そして数年後、産卵の時に再び海へ戻り、産卵して一生を終えます。海にいる時期はあまり多くないので、基本的に淡水魚とされています。
それから、あなごも深海で生まれます。その後は海の浅瀬に移動して数年を過ごした後、深海に戻り産卵して一生を終えます。
つまり、一生を海で過ごす海水魚です。
うなぎは日本では古くから食べられてきた食材で、縄文時代の遺跡にもその跡が残っています。うなぎが一般庶民の間に広く普及したのは江戸時代で、最初はぶつ切りにして焼いて食べるというシンプルな食べ物でした。その後、醤油やみりんなどの調味料が広まるようになるにつれ、蒲焼のスタイルが誕生したと言われています。
あなごの歴史はうなぎに比べると、あまり古くはありません。江戸時代に入ってから食べられるようになったとされています。
含有されている脂肪分が違う
うなぎとあなごは食材としても似ていますが、その大きな違いは含有されている脂肪分にあります。うなぎの方が脂肪分を多く含んでいるため、カロリーも高くなっています。そのためこってりとした味わいが特徴で、脂っぽいと感じる人もいます。うなぎを食材として調理する時には、蒲焼にして焼くことで余分な油を落とすのが一般的です。
あなごはうなぎに比べると脂肪分が少ないので、とてもヘルシーな食材といえます。また、淡白な味が特徴で、さっぱりと食べることができます。あなごを食材として調理する時には、淡白な味を補うためにタレで炊きこんだり、天ぷらにして油分を補う調理法が多くあります。ですから、あなごを蒲焼にして焼いてもこってりとしたジューシーな味わいにすることはできません。
それから栄養価もうなぎの方が高く、様々な栄養素が豊富に含まれています。その中の1つがビタミンAで、あなごも魚の中ではビタミンAを多く含有していますが、その5倍もの量が含まれています。その他にもビタミンB1やビタミンB2、ビタミンD、ビタミンE、カルシウム、DHA、EPAといった栄養素もうなぎの方が多いとされています。DHAとEPAは血液中のコレステロール値を下げたり、脳を活性化させる効果があるとして注目されています。