日本でうなぎは、昔からよく食べられている食材でした。
その歴史は古く、新石器時代の遺跡からもうなぎの骨が発見されています。うなぎは江戸時代に爆発的に庶民の間に広まり、日本を代表する料理の1つになりました。現代の日本をみても、日本全国に多くのうなぎ屋が存在します。
江戸時代の初期には、ただ串に刺して焼くだけの料理だったと言われています。筒切りにしたり、小さいうなぎは丸ごと串に刺していました。味付けも塩だけだったり、味噌や酢をつけて食べるなどシンプルなものでした。うなぎの串焼きは、屋台などで軽食として人気があったようです。今とは違って、気軽に食べられる食材でした。
その後、うなぎをさばいて骨を取り除き、串を打つという調理法が登場します。そして、醤油やみりん、砂糖、酒といった調味料が庶民の間にも普及したことで、タレをつけて焼く鰻のかば焼きのスタイルが誕生しました。江戸時代にはあちこちに鰻屋が存在するようになり、「江戸前大蒲焼番付」という現代のグルメランキングのような物も残されています。江戸前とは、江戸の前面にある海で獲れたという意味です。うなぎの場合には、隅田川や深川近辺で獲れたうなぎを江戸前と呼んでいました。江戸っ子たちは、うなぎは江戸前が美味しいと言い、それ以外のうなぎとははっきり区別していたといいます。
お寿司でもそうですが、江戸前という言葉に誇りをもち、独自の料理の技術をもっています。今では、江戸前の手法で焼かれた江戸前うなぎは数少なくなりましたが、まだ東京で召し上がることができるお店も存在します。
日本には海外産のうなぎの蒲焼が多く流通していますが、やはりこういった歴史のある技法が残った日本固有のうなぎの蒲焼が美味しく、安心で安全ですよね!
是非一度、江戸前うなぎを探しもとめてみてください。
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