岐阜県関市の特徴について
岐阜県関市は県の中央部に位置する広大な地域です。この地域はうなぎで有名で、複数の名店が存在するのです。その数なんと25店舗。いなかの街でありながらこの数ですから、うなぎのまちというわけです。マスコミなどでもたびたび採り上げられており、遠方からわざわざうなぎのために来店する客も多いです。背割り・腹割りとありますが、関市では腹割りが基本です。
関市は刃物でも有名な地域です。美濃国に刀匠たちが移り住んできたのは鎌倉時代。多い時には300人以上もの刀匠がいました。今でも、貝印という全国的に有名な大きな会社が存在します。現在においても廃れることなく刃物産業は盛んなのです。そしてまた、岐阜といえば有名なのが鵜飼。初夏から秋にかけては長良川で鵜飼が行なわれています。
名所・旧跡が多いことでもこの地域は有名です。関城や大洞城・小野城などさまざまなお城があり、宗休寺や新長谷寺・日龍峰寺・迫間不動・春日神社・武芸八幡宮・水無神社などもあります。市内には国の重要文化財が14個もあり、国の登録有形文化財が2個・県指定の重要文化財が16個です。
実はこのような関市の特徴がこうしたうなぎ文化というものを作り出したのです。
関市とうなぎの関係について
刀作りというのは熱い中で鉄を打つ大変な作業です。そんな中でうなぎは刀匠たちのスタミナ源として重宝されたのです。奈良時代の歌人・大伴家持も万葉集の中で、夏負けを防ぐようウナギを食べて精をつけようと言っており、昔から滋養強壮剤として有名だったのです。
「うなぎ」の名前の由来として、「うがなんぎする」ということから付けられたという節もあります。鵜飼が有名なこの地域だからこそ関係性は深いというわけです。
お腹を掻っ捌くというのは腹きりにつながり、武士の世界ではご法度です。一方、「腹を割って話す」という解釈もあり、商人たちの間では好まれたのです。関市には商人たちが多く、商売の際のお客様のもてなしの意味もありうなぎが重宝されてもいたのです。先が尖っていない縦長の細い名古屋型の包丁でさばいたうなぎは最高です。何百年も受け継がれてきた秘伝の焼き方やタレは、現在でもグルメ通の舌をうならせています。
歴史ある関市のうな丼をぜひ食べてみてください。この地域を目指してわざわざ食べるためだけにやってくる人がいるのも当然と言えるおいしさでしょう。1000年以上も昔から刀匠や鵜匠たちが食べていた味です。