静岡産のうなぎ消費量
静岡産のうなぎと言ってもあまりイメージが湧かない人が多いかもしれませんが、実は総務省統計局による家計調査(二人以上の世帯)都道府県庁所在市及び政令指定都市別ランキングの調べによると、静岡県浜松市のうなぎのかば焼きの年間支出金額は、一世帯あたり6,403円で日本一です。自宅で日常的に蒲焼などのうなぎ料理を食べる家庭が多数存在しています。
高級料理という印象がある人もいるかもしれませんが、静岡の養殖市場や港では手軽に安く、新鮮なうなぎが手に入るため、日常の家庭料理として味わう人がたくさんいるのです。白焼きなどレパートリーもたくさんあり、静岡県民は美味しい食べ方を多く知っています。先程紹介したデータは家計調査のため飲食店等での外食による消費は含まれておりませんが、静岡県内には至る所に美味しいうなぎを味わえるお店があります。
こだわりを持った仕込みや自家製の秘伝のタレ、備長炭を使用した調理法など、昔からの常連客が多く伝統を大切にしているお店がたくさんあります。特に浜松や浜名湖では美味しいうなぎが味わえると口コミで全国に広がり、観光地としても有名です。全国の老若男女に愛される伝統的な味です。
静岡産うなぎの歴史ある伝統
明治時代の浜名湖で、幼魚に餌を与えて成長させて商品にしようという試みがありました。明治12年頃に、まず東京でうなぎの飼育研究が始められ、その数年後には幼魚から成魚への飼育に成功することができたのです。そして浜名湖は、日本で初めてウナギ養殖の事業化に成功することになりました。
浜名湖は、温暖な気候であることやミネラルが豊富に含まれた地下水に恵まれていること、そして餌となる蚕が大量に存在することから、養殖には最適でした。そしてその後、何度も養殖産業の変化があり、特産物として全国的に知られるようになりました。現代社会では天然うなぎの漁獲量が年々減ってきてしまっていますが、浜名湖ではまだまだ特産物として盛んです。
2種類の漁法を駆使して、毎年5月から12月の間、朝4時~7時の早朝に天然鰻漁を行います。天然物は養殖よりもさっぱりしており、季節によって脂ののりが異なるのが特徴です。浜名湖の天然うなぎには十分に栄養が含まれ、肉厚で皮がとてもやわらかく、味わい深い一品です。毎年7月の終わりから8月の時期が一番美味しく味わえると言われており、伝統的な養殖と天然うなぎの両方を浜名湖で食べたいと思う人が大勢いるのです。